カヤック日記


2016年3月の出来事


暗い中を飛ぶハヤブサ。




















写真:暗い中を飛ぶハヤブサ。

いつものハヤブサが繁殖を始めたようです。
それほど回数は行けなかったのですが、巣のある場所をある程度まで確認できました。
以前までの巣よりもかなり高い位置にあって、巣の中を見る事は出来そうにありませんのでヒナが顔を出してくれるのを気長に期待します。
ここのハヤブサの繁殖は昨年は途中で放棄した様子でしたし、一昨年は順調に進んでいたように見えながらヒナを見る事がありませんでした。
最後に見たのは2013年の繁殖ですから、今回は元気に巣立つ姿を見たいものです。
2013/5日記
ここは場所はちょっと書けないですが、少なくとも2004年頃から毎年ツガイが繁殖活動をする様子が確認できています。
その時から同じような場所で年毎に巣穴を変えながら繁殖を続けているのですが、実のところそのツガイがこれまでずっと同じ個体だったのかは分かりません。
まあ多分同じだろうとは思うのですが、思い込みは良くないですし、かと言って足環を付けるわけにもいきませんし、ミサゴのように模様で個体識別できそうな感じもありません。

調理場のひとつで佇むハヤブサ。調理の際にはむしられた羽毛がこちらまで舞ってきます。




















写真:調理場のひとつで佇むハヤブサ。調理の際にはむしられた羽毛がこちらまで舞ってきます。

今月は自分の都合でハヤブサを観察に行くのが夕方になってしまう事が多くなっていました。
現地に到着するとまずいつものハヤブサが留まっていそうな場所をカメラの望遠レンズで見渡すのですが、最初は大抵見つかりません。
花を撮ったり波を撮ったりしているうちにキーキーと鳴きながらどこかから戻って来るので、急いでその方に向かいます。
夕方になってから来ていますから、ハヤブサ待ちをしている間に相当暗くなってしまう事もありました。
いつもは日中に観察に行くことが多いので、思った以上に暗くなってからも活動しているのだという事が分かったのは収穫ですが、撮影が難しかったです。
それでも行動が把握できて、記録として写真に残せれば良いので画質は無視してカメラの感度を高くして記録に勤めました。
こういう時にデジタルカメラのISOの大きな数字には大変助けられます。
フィルムの時代だったら撮ろうと思わなかった条件ばかりです。

トビの巣。




















写真:トビの巣。

今回も海からでなければ巣の位置を確認できない場所ですが、海との都合が合わず岸からの観察になってしまい巣の正確な位置は把握できていません。
あの崖のあの辺りの穴のどれかというところまでですが、出入りしている様子なので間違いないでしょう。
周辺にはトビも多く繁殖していて、ハヤブサとよくケンカしています。
トビがハヤブサの巣から巣の材料である枝を盗んでいるところを見た事がありますが、果たしてヒナに危害を加える事はあるのでしょうか?
逆にハヤブサはトビのヒナを捕食することはあるのでしょうか?
私がここでハヤブサが捕食したのを確認したのはハトとウミスズメだけなのですが、他にどんな鳥が捕食されているのか興味深いです。
ハヤブサが餌の羽をむしったり肉を食いちぎったりと調理する場所はいくつか分かっているのですが、その下にそれらの死骸が落ちている事が無いのです。
以前、巣の直下に歩いて行ける場所に巣を作った時には巣の下に干からびた死骸が落ちていたことはありますが、種類は分かりませんでした。
大きさからするとヒヨドリのようなサイズでした。
ここではないですが同じ南房総でヒヨドリの群れを襲撃するハヤブサは何度も見ています。
ただこの場所ではあまりヒヨドリの群れは見ないので、ヒヨドリだとするとどこで捕獲したのかな?と気になります。
思ったよりも遠くまで狩りに出掛けるのでしょうか?

ミサゴ目線で生息地を見るとこんな感じ。




















写真:ミサゴ目線で生息地を見るとこんな感じ。

ハヤブサの方に時間を割いたので、ミサゴのエリアに行く時間が無くなってしまいました。
毎年この時期になるとハヤブサの方に行ってしまうので、ミサゴとは偶発的な遭遇しか機会が無くなり、まるでミサゴがいない季節になったかのように感じてしまいます。
もう少し余裕があればミサゴエリアに寄って、そのあとハヤブサエリアをじっくりと…なんて出来ると良いのですが。
ミサゴとハヤブサは利用している場所が少しずれている様に思います。
ハヤブサは岬を中心としてその周辺をテリトリーにしていて、ミサゴは河口のある湾奥を中心として周辺をテリトリーにしている感じがします。
崖などから急降下で捕食するハヤブサと、穏やかな海面を空から眺めて水中の魚を捕食するミサゴでは好む環境が違うのは納得がいきます。
また繁殖に利用する地形もハヤブサは海食崖などの高い崖を必要とするのに対して、南房総のミサゴは恐らく海に近い山の辺りに巣を作っているようなので、巣へのアクセスという事を考えても必然的にそうなるのかもしれません。
という訳で、私は同じ場所で両方を観察することが出来ないでいるという訳ですね…。
それにしてもそろそろ南房総のミサゴの巣の場所も分ると良いのですが。
これまたハヤブサと両方欲張るのは無理そうです。

海岸ではハマダイコンが満開です。




















写真:海岸ではハマダイコンが満開です。




 



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