カヤック日記


2010年2月の出来事!


冬の大房岬を漕ぐ 2月は寒いです…けど、あっという間に過ぎてゆきました。
暖かな南房総でも雪がチラホラしたりと関東でもシーカヤックのやって来た北の海をイメージしながら漕げる貴重な(?)季節。
しかしそんな寒い冬はもう行ってしまうらしく、ここ数日は半袖が着たいくらいな日も。 冬の海を堪能したい、ヘビーカヤッカーの皆さんは御急ぎ下さい!
ちなみに写真の崖にある白いものは雪ではなくウミウたちのフンです、あしからず。

先月はザトウクジラが館山に揚がりましたが、今月も白浜町でマッコウが揚がったという情報がありました。 残念ながら、その日私は館山にいなくて調査に参加できませんでした。
この日は房総半島のウミガメを調べている個人、団体が集っておしゃべりする「外房ウミガメ雑談会」に参加して来ました。
会場は大原でしたので少々遠くて大変ですが、余った時間でスナメリも見る事が出来たのでとても有意義でした。 会は九十九里でウミガメ、スナメリ、海鳥…などなどを調べ続けている秋山先生の弟子(?)の方々を中心に催され、小規模ながらも様々な意見交換や現状報告が行なわれました。
これから年2回開催を目指して徐々に参加者を増やしていきたい意向ですので、興味のある方は是非ご連絡下さい!

太東のスナメリたち スナメリの方は大原より更に少し北の太東灯台の展望台から見てきました。
あまり期待せずに行ってみましたが、ほんの15分ほどで崖下に1頭が見つかり、もう少しすると300mほど沖に群れが現れ、海面で活発に泳ぎまわっていました。 写真のように若い個体も見られ、多分餌を追っている様子でした。

九十九里ではサーファーなどの間で普通にスナメリが見られていますが、カヤックで見に行くには海が厳しいので観察ツアーは行なっていません。 それでも港の堤防、砂浜、展望台からこうやって見る事が出来ますから是非出かけてみてくださいね。

九十九里とは対照的環境に見える東京湾の奥にもスナメリが極少数暮らしている事が知られています。 過去には外房と同じように普通に見られたようですが、今では滅多に見られないくらい数が少なくなっています。
遠くに暮らす大きなクジラや活発で愛嬌のある一部のイルカ類は人の関心を惹きつけ保護されていますが、こんなに身近に暮らす希少なイルカが見過ごされがちなのは寂しい事です。

海の中〜 カヤックで見に行くスナメリはハンドウイルカなどに比べればシャイですが十分愛嬌があり、向こうからこちらの様子を見に来たりもします。
出来る事なら東京湾のスナメリの集う場所をいつか見つけ、南房総に比べれば汚れてしまっているけれど穏やかで東京や千葉の人にも身近な東京湾湾奥というフィールドで、スナメリの行動に十分に配慮できるカヤックによる観察を通して保護に繋げる事が出来れば…と願っています。

水温低下のピークを迎えた今、海の中は見ごろを迎えています。
何が見頃かというと、その透明度なのです。 水中の魚影は薄いですが、漕ぎながらでも海底の様子を水面から手に取るように見る事が出来ます。
写真は岩井の海。 こんなキレイな磯場は密漁の疑いをかけられる事も多いので潜るのは残念ながらお勧めできないのですが、カヤックの上からでも十分楽しめると思います。

そんな南房総の一部の海岸ではスイセンが咲いています。
畑で大切に整然と並べられて育てられているのではなく、海岸の海風吹きさらしのガレ場にぽつぽつと咲くスイセンの健気な姿はなかなか感動的です。

海岸に咲くスイセン しかしそんなスイセンもコンクリートで固まった海岸では根を張る事が出来ません。 スイセンが咲いているのは本当に人が入らない、人が加工していない良い意味で「荒れた」海岸です。
これはなんとなく「荒れていて厳しい九十九里」に暮らしながらも健気に行き続けているスナメリと「コンクリートで岸を固められて窒息している東京湾」で生存を追われているスナメリの対比に良く似ている感じがします。
コンクリートの下に消えていったスイセンのように東京湾のスナメリが消えてしまわないと良いのですが…。









過去の日記一覧へ