カヤック日記


2009年9月の出来事!



新舞子の海岸 今年もウミガメ産卵調査を8月いっぱいで終えましたが、まだ数字を報告していなかったので御報告します。
調査の中心として6〜8月にかけて毎朝通っている野島崎灯台以西の白浜の海岸全域で0611上陸、0708産卵、0709産卵、0727上陸、0804産卵、0816産卵を確認。 平砂浦は0707に1ヶ所のみ上陸痕を確認しました。 これらは間もなく日本ウミガメ協議会に報告します。

他に千倉全域で0729に2ヵ所、0817に1ヶ所、0826に1ヶ所と丸山で0629、0729にそれぞれ1ヶ所、和田で0729と0817にそれぞれ1ヶ所を確認していますが、いずれも誰かにより簡単な保護柵が作られていました。 南房総では他に協議会への報告者がいないのですが、私より先に誰かが発見した形跡がある場合(特に保護柵がある場合)はウミガメ協議会への報告は行っていません。
その方とは未だめぐりあう事が出来ずにいるため、報告について相談できずにいます。 もしかすると複数の方がたまたま遭遇した場合に柵を作っているのかもしれませんが、もしも和田(和田港以南)〜千倉にかけての海岸で保護柵を作られている方を御存知の方は御紹介頂ければ幸いです。

ヤマトマダラバッタ 9月はやっとウミガメから解放され、ツアーも一段落で時間が作れるようになりました。 せっかくなので久しぶりに南房総から離れて(と言っても房総半島ですが…)富津辺りに行ってきました。
目的は富津周辺の夏季の海岸植生と7月の日記で書いたヤマトマダラバッタの分布を調べる為でした。 カヤックではスナメリを探しに時折漕ぎに行く海域ですが、海岸を丹念に調べた事は少ない地域です。

富津岬南岸(布引海岸)は広大な海浜植物群落が見られる東京湾では貴重な砂丘と言えます。 岬西端近くまでの約2kmは自動車進入を禁止しており、良い状況が維持されています。 ただし潮間帯の漂着ゴミの数は凄まじく、ゴミの隙間から植生が顔を出しているような状況が延々と見られます。
最近北岸についても最近自動車進入が禁止され今後に期待が持てます。 ヤマトマダラバッタに関しては南北いずれの海岸にも確認できましたが南岸の方が多かったです。 植生はオカヒジキ、ツルナ、ハマニガナ、ネコノシタ、オニシバ、ハマヒルガオ、ハマニンニク、ハマボウフウ、イワダレソウなどが見られました。


新舞子の空 もう少し南下した新舞子から上総湊にも4kmほどの間に海浜植物群が見られます。 特に新舞子から南へ2kmほどの区間は一番上の写真のように人間が手を入れた形跡があまり感じられない砂丘が緑に覆われ続いています。 やはり漂着ゴミも凄いですが、捨てられたボートなどの多さに驚きました。

新舞子から南へ2kmの間には多数のヤマトマダラバッタが見られました。 植生はオカヒジキ、ツルナ、ハマヒルガオ、ハマニンニク、オニシバ、ハマニガナ、コマツヨイグサ、ハマボウフウ、トベラ、フジナデシコ、ハマサオトメカズラの他に海岸性と思われる2種が見られましたが私の知らない種でした。

ここも富津岬と同じく広々とした人口密度の低い海岸が続き、海は広く見渡せて横浜から三浦までが望め気持ちの良い海岸散歩スポットです。 この日は空が青々として気持ちの良い日でしたが、良く見ると水平線のすぐ上は左の写真のように黄色というか茶系の色合いをしています。 どうやらこれは空気の汚れらしく非常に交通量の多い浦賀水道上に排気ガスが溜まっているようです。


館山からの夕焼けと富士山頂 南房総でも時折西に海上にもっと薄いものが見られる事がありますが、これほど濃い色のものは初めて見ました。 いつもの事ではないのでしょうけど何だかとても嫌な色ですね…。

新舞子はグリーンランド型カヤックを作って乗るクラブ「 GreenLanders 」のクラブハウスもあります。 誰かいたらオジャマしようかなと思いましたが誰もいないようでした。残念。

これから冬にかけてはまた富津のスナメリ探索を再開したいと思います。 「まあ見つからないで当然」くらいな感覚で続けていますが、そろそろ…。



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