カヤック日記


2007年2月の出来事!


ヒジキ 今月は特にニュースもなく静かな月となりました。 何より心配していたカズハゴンドウのマスストランディングも起きずにホッとしているところです。(まだ安心できないですが…)

昨年、塩見にベースを移してから御近所でいろいろな頂き物をすることが多くなりました。写真はヒジキです。生のものを頂いたので庭で煮ているところです。 一緒に入っている夏みかんは房総では酢の代わりにいれるそうで、酸が海藻を軟らかくしてくれるのだそうです。煮終わった後には天日干しをします。 最近は北風が吹くと海からワカメの差し入れがやって来ます。硬くて噛み応えのあるおいしいワカメです!

冬季の時間が出来る時期にはカモメなどの海鳥を観察する為に漕いだりすることが多いですが、暖冬の為かカモメの飛来数が少ない事もあり今シーズンは東京湾に極少数が生息していると言われるスナメリを探す為に富津周辺の海に通ってみています。
昨年一度それらしきものを見て以来ですが、またきっと遭遇できるのではないかと期待しています。 いつか出現頻度の高い海域を見つけられれば長期的に調べていきたいと思っていますが、海面で目立つ背ビレがなく行動が比較的穏やかで濁った海域を好むという性質からしてなかなか難しい相手です。 東京湾内におけるスナメリのストランディングや目視による情報は「東京湾 海の自然誌」※で紹介されていますが、これによると1963年から2005年までの間にたった9件しかありません。 なかなか遭遇は難しいようですが気長に調べてみようと思っています。

スナメリ自体は同じ千葉の海でも外房では頻繁に観察されています。 長年九十九里のスナメリやウミガメを調べている一宮在住の秋山先生のウェブサイトHP九十九里浜自然誌博物館 では詳しい生態と貴重な写真が紹介されていますし銚子ではウォッチング銚子海洋研究所も行なわれています。 貴重な種にしては高い頻度で見られますので是非会いに行ってみてください。

ウミフクロウ その富津の海は夏には濁っていてクラゲだらけという印象のあまり好感を持てない海ですが冬になると驚くほどの透明度と共に遠浅の海で見られる生物の多さに驚かされます。
遠浅の海岸では干潮の時間を狙って人々が貝類を獲るために水に浸かっています。
岬の北岸にあるアマモ群はとても広く、多くの生物が暮らしているようです。ちょっと見ただけでも大きな白いアメフラシがいくつも歩き回りヒトデや大きなナマコが点在しています。 先日行った時には浅瀬をのんびりと歩いていたウミフクロウという面白い名の生物に会いました。左の写真のようにどう見てもフクロウに見えないので不思議です。 手にとって見た印象はいわゆるキモカワという感じでした。吻を砂の表面に延ばして餌を探りながら歩いているらしく手の上でも少し落ち着くと吻で掌を探り始めました。ちょっとくすぐったかったので海に帰ってもらいました。
海底は砂ではなくほとんどが二枚貝の殻で埋め尽くされています。 干潮時に出来た中州に上陸して貝殻を拾って歩くとパリパリと貝殻が割れる音と感触が伝わります。 目に見えない汚染さえなければ、とても素晴らしい海なのにと残念です。 この周辺でスナメリも密かに暮らしていると思うとなるほどと思いますが体がどれほど汚染されてしまっているものかと心配にもなります。

アマモの森 いつかスナメリに遭遇した時にはここでも是非紹介させて頂きたいと思いますがどうぞ気長にお待ち下さい…。 いつまでもスナメリが暮らせる東京湾であって欲しいと思います。

※引用文献
東京湾 魚の自然誌 12章 東京湾の鯨類(谷田部明子氏著)河野 博 監修:東京海洋大学魚類学研究室 編 平凡社








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