カヤック日記


2005年11月の出来事!


今日30日までに孵化後の調査も行っている白浜町の全ての海亀巣の掘り出し調査が一応終えました。
一応と言うのはふたつの巣でまだ生存していると思われる卵が確認出来たのでその2ヶ所を除く卵の確認できている7巣での調査についての終了という事になります。
この寒い季節になって海亀の卵が砂中で生存しているのですが、ますます気温が下がりますので孵化は期待できないと思われます。
これらの巣は8月30日の滝口巣と9月12日の根本巣ですが今年いっぱいは様子を見て経過を記録したいと考えています。

孵化後の卵の欠片 今年の白浜町における孵化成功確認数は11月末現在までに97個体でした。
他にも他者発見の巣が1ヶ所孵化に成功していますのでそれを含めて100〜200個までと思われます。※
白浜町の今年の海亀上陸回数は18回、他者発見のもの1ヵ所を含めると19回。
またその中で卵が確認できた巣は9ヶ所、脱出跡の確認できた他者発見の1ヶ所を入れると少なくとも10ヶ所の巣で産卵が行われました。
これまでに孵化後の掘り出し調査で確認した卵の総数は514個でした。
他に台風など時化により卵が流出した巣が3ヵ所、未調査の巣が2ヵ所、他者発見の巣が1ヵ所ありそれら6ヶ所の巣でそれぞれ平均100個として合計600個前後の卵があったと考えられます。 推定合計は1114個となります。

(※他者発見巣で発見者本人に確認が取れていないものは掘るなど手を加えず海亀協議会などへの報告にも数として加えていません。)

太陽とカヤッカー 1114個中97個しか孵化に成功しなかった計算ですと総数の9%弱しか海に帰れなかったということになります。
特に根本海水浴場では水辺に近い2つの巣が浸水し更には流出していますのでそれだけで200個ほどの卵が失われた事になります。
他にもキャンプ場内に上陸して来た母亀が多数のテントと街灯や花火など光の影響からかキャンプ場内を迷った挙句産卵もせずに行き詰っていたところをキャンプをしていた人に助けられ海に帰されるという例もありました。

波にさらされる危険のある場所に卵を産んでしまう母亀はほとんどこのような経験をしているものと思われます。
このような事が無く、もしも今年上陸した母亀全てが産卵していたら合計1900個ほどの産卵になっていたことになります。
総産卵数が増えれば同じ孵化率だったとしても孵化総数上昇が期待できますので、まずは母亀が巣に適した安全な砂浜の奥深くまで安心して入っていける環境を作る必要があるのです。

ビンダマ


ここのところ暖かい日が多く、しかも凪が多かったのでカヤックをするには素晴らしい日が多くありました。
今、海辺ではイソギクとツワブキの黄色い花が沢山見られます。 また海岸のハマエンドウの葉には今年も産卵に訪れたシジミチョウが舞っています。
砂浜には美しい貝殻が多数打ちあがる季節でもあります。 貝殻を探していると運が良ければ写真のようなビンダマも見つかります。
冬に現れる海鳥達も多くが既に房総に見られるようになりました。 小さくかわいいウミスズメも既に見られるようになり冬本番と言う感じになってきました。
また日の短いこの季節にはカヤックで海から夕日を見る機会が多くなります。 内房は夕日を眺めるには最高の場所のひとつです、是非冬の海に落ちる夕日を眺めに来て見てください。



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