カヤック日記


2005年9月の出来事!


野島埼灯台 写真は台風が通り過ぎた後(25日)の野島埼灯台です。
まるで灯台が飲み込まれるかのようですが、この波はもっと手前で崩れている波ですのでご安心を。
この日は空気がとても澄んでいて写真を撮るには良い日でした。
しかし残っている海亀の巣を周って歩くとどこも波を被っていてガッカリしました。

6月に産卵された白浜町の巣では既に孵化の時期を過ぎ、更に90日を過ぎたので昨年までと同じように巣を掘り出しての孵化率を調べました。
先月の日記で脱出した子亀の足跡を紹介した6月12日の巣では116個中少なくとも18個の卵が孵化に成功していました。
とても低い確率ですが台風の波を何度も被りしかも地震による液状化を経た巣であることを考えると子亀達は良く頑張った!と言えるのではないかと感じました。
割れていない卵を全て開くと発生初期のやっと亀に見えるか見えないかの胚が確認できた卵が52個と多く、他に孵化間近と思われる胚を16個確認しました。
また中間期のものが見られなかった為、この巣では直接の子亀達の死因に繋がった外からの影響が2回あったものと推察しました。
うち2回目の影響は7月26日の台風7号と地震によるものだったのではないかと思いました。

6月13日根本で産卵の巣では全てが流出したらしく巣が見つかりませんでした。
この巣の山側では7月27日に4個の割れた卵が漂着しているのを確認しています。
また6月18日砂取で産卵の巣では115個の卵が流されずに残ったもののひとつも孵化に成功しませんでした。
孵化率調査では最初、死んでしまった卵を開くのは酷く心が痛みました。
しかしストランディングの調査に参加するようになってから、この死んでしまった卵も同様に記録する必要を感じて始めました。
今後これらの死んでしまった子亀たちの記録がこれから先に生まれてくる海亀の役に立つ事があるのではないかと思います。

エチゼンクラゲ 太平洋側海上では久しぶりにエチゼンクラゲも見られました。
ある日、アオウミガメが呼吸をする姿が見えたので接近するとその亀は次の呼吸の時にこちらに気付き大急ぎで海中へ消えていきました。
その海底を覗き込むと白く大きなエチゼンクラゲがいくつか泳いでいました。
早速写真を撮る為にエスキモーロールで水中に入りました。

写真では分かりにくいですが、その傘の下には何匹もの魚が住み着き一緒に旅をしていてとても面白い姿でした。
近年、大量発生で漁業への被害が多く見られる害生物ですが個々を見ていると、とても興味深い生き物と感じました。
網にかかり嫌われつつ大量に無駄に死んでいく姿は何ともいえず虚しいものです。
漁師さんの為にもクラゲの為にも大量発生の根源を絶つ事が出来ると良いなと思いました。

ハマカンゾウの咲く海岸





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